アラビア半島のドバイに渡り、熱気球に乗って撮影した朝のルブアルハリ砂漠の光と影は、自然が作る神秘的なカタチや模様を際立たせて見せてくれた。
今の時代、ドローンを飛ばせば簡単に空からの光景を”知る”ことはできるが、やはりまずは自分の目で直接見たものを撮りたいという思いがあり、これらの砂漠写真を制作した。尚、一部の作品はSea Surfaceシリーズとも関連性を持っている。
ところで、個人的にはドバイ=近未来的な高級リゾート地のイメージが強かったのだが、実際に訪れてみるとなかなか多様性のある面白いところだった。(どこでもそうだと思うがドバイも例外ではないということだ)
そうした比較的注目されることの少ないであろう部分も、来訪者ならではの視点ということになろうがカメラに収めた。
自然の力で作られるカタチを美しいと感じるように人間はできているのかもしれない、と思うときがある。
日の出直後の角度で地表に当たる陽の光は、微細な凹凸も克明に浮かび上がらせてくれる。これら一連のモノクロ作品は、そうした光景をほぼ真上から観察して切り取ったものだ。